日経225先物は危険?株は安全?
東京証券取引所(東証)の1部と2部に上場している会社の数は約2500社です。株の取引はその中から銘柄を選び取引しますね。『日経225先物』は、大阪証券取引所(大証)の銘柄の一つとして取引ができます。どちらも銘柄を選んで売買するだけですが、なぜ、先物取引は株取引より危険と言われるのでしょう?その理由について、売買例でリスクを比べてみます。株取引例は、トヨタ自動車としました。なお、手数料については考慮していません。
トヨタ(7203)を100株買う場合
- 株価 :6500円
- 取引金額 :6500円x100=650000円
- 必要資金 :取引金額と同じ
- レバレッジ:取引金額÷必要資金=1倍
- 最大リスク:株価が0円になった場合、損失額=650000円
日経225先物miniを1枚買う場合
- 価格 :20000円
- 取引金額 :20000円x100=2000000円
- 必要資金(=証拠金):100000円
- レバレッジ:取引金額÷必要資金=20倍
- 最大リスク:日経平均が0円になった場合、損失額=2000000円
株取引と先物取引共に、最大リスクは買った銘柄が無価値(0円)になった時で、両者に違いは無いですね。つまり、日経225先物取引は、取引金額の全額を証拠金として預入れれば(=レバレッジが1倍の状態)、株式取引とリスクは変わらないのです。
冒頭の『先物には手を出すな』は、『十分な資金が無い場合は、先物には手を出すなと!』いう事です。
ただ、レバレッジを掛けて少しは資金効率を高めたいと思いますよね。2020年3月は、1ヶ月で日経平均は24000円から16000円まで8000円下がりました。mini1枚でも80万円の値動きになります。こんな暴落もあるということを念頭に置いて、手持ちの資金額からレバレッジとリスクを検討して賢く生き残りましょう。
証拠金の計算方法は?
証拠金はSPANをもとに計算されます。SPANの計算方法は複雑ですが、結果の部分は以下のようになります。
証拠金=SPANプライス・スキャンレンジ×証拠金掛目×数量(枚数)
プライス・スキャンレンジは日本証券クリアリング機構が毎週最終営業日夕方に翌週の適用値を発表し、日経平均株価及びボラティリティによってその額が変動します。
重要なことは、ボラティリティが上がれば証拠金もあがるという事です。2020年3月の暴落の時の日経VIは、普通20前後で推移している値が60を超える状態になりました。このため証拠金も2倍以上になりました。
掛目は証券会社によって異なります。主要なネット証券の日経225先物の手数料と掛目を以下に紹介します。
証券会社 | 日経225先物の手数料 1枚当たり(税抜) |
掛目 | |
ラージ | mini | ||
楽天証券 | 250円 | 35円 | 1.0倍 |
AUカブコム証券 | 300円 | 38円 | 1.0倍 |
GMOクリック証券 | 200円 | 34円 | 1.2倍 |
マネックス証券 | 250円 | 35円 | 1.0倍 |
松井証券 (1日先物取引) |
200円 (150円) |
35円 (25円) |
1.0倍 |
日産証券 (アクティブコース) |
149円 | 23円 | 1.2倍 (0.5倍) |
限月とTradingViewの銘柄名
先物取引は取引できる期間が決まっています。この満期月を限月(げんげつ)と呼びます。miniは毎月が限月で、ラージは、3月、6月、9月、12月が限月となります。満期日は特別清算日(SQ日)と呼ばれ、原則として限月の第2金曜日となっています。満期日の前営業日である取引最終日までに反対売買をしない場合は、当初の売買価格とSQ値との差額で自動的に決済されます。ラージのSQ日は、メジャーSQと呼ばれ取引が活発になることが多いとされています。
参考に各限月TradingViewの銘柄名を次に記載します。
限月 | TradingViewの銘柄名 | |
mini | ラージ | |
2020年6月 | NK225MM2020 | NK225M2020 |
2020年7月 | NK225MN2020 | - |
2020年8月 | NK225MQ2020 | - |
2020年9月 | NK225MU2020 | NK225U2020 |
2020年10月 | NK225MV2020 | - |
2020年11月 | - | - |
2020年12月 | NK225MZ2020 | NK225Z2020 |
2021年1月 | - | - |
2021年2月 | - | - |
2021年3月 | NK225MH2021 | NK225H2021 |
2020年5月調べ