チャートを後から振り返って見れば、天井と底が誰にでも簡単に判ります。これが場中に簡単に判ったら直ぐに大金持ちになれますね。
残念ながら、表題のツールはそんな便利なものではありませんが、買い方と売り方の勢力やその大きさを見える化したものです。
そのツールとは、先物同一気配約定情報というツールです。
先物同一気配約定情報とは
歩み値は約定価格と出来高の推移を時系列で表示したもので、証券会社のチャートでたいてい板と一緒に表示されていますね。
歩み値は数字が流れているだけにしか見えないですが、歩み値が読める人にとってはお宝情報なのです。この情報の読解技術は、『ティッカーテープリーディング』と呼ばれ、伝説のトレーダー、ジェシー・リバモアが得意とした手法です。
しかし、凡人の私にとってこの手法は、歩み値をいくら見ていても、トレードは全く上達しません。それどころか、すぐに疲れてしまい相場に集中できなくなる始末です。
『先物同一気配約定情報』とは、この『ティッカーテープリーディング』のお宝情報を誰でも理解できるように表示してくれるツールなのです。
先物同一気配約定情報の見方
先物同一気配約定情報を扱っている証券会社は、松井証券とGMOクリック証券になります。
今回は、GMOクリック証券のツールで説明ます。
先物同一気配約定情報の見方
現時点の同一気配約定情報は、最上部の行になり、最良売りまたは最良買い気配が変わると新たな行が上に追加されます。
ポイント
売り気配:最良売り気配値
買い気配:最良買い気配値
売り約定:成り行き売りの約定数の合計
買い約定:成り行き買いの約定数の合計
買い約定残数: 買い約定-売り約定
出来高 :同一気配が続いた最後の出来高
チャート部は、上の同一気配約定情報の気配値と約定値をそれぞれ1列毎に1本の棒としてグラフ化しています。
ポイント
注目は、買い約定残数と約定チャートです。
どちらも感覚的に判りやすく、買いが多ければ赤色、売りが多ければ青色で、チャートも長ければ出来高が多いという感じです。
簡単なことですが、これだけの情報を歩み値から読み取ることは至難の技です。
トレンド転換の合図!?
次の2つのチャートを見てください。
上はTradingViewの5分足のチャートで、10:15に底を付けてトレンドが変わった様に見えますが、転換のきっかけは判りません。
下のチャートは、9:00~10:00の時間帯を先物同一気配約定情報のチャートで見たものです。
デフォルトとは違ったチャートに見えますが、本数を999本に設定して、サイズを拡大したものです。
10:17にその前後に比べ目立つ大きな買い約定があり、更に10:26、10:33にも大きな買い約定があるのが判ります。
1日の値動きのなかで大口の約定がトレンドを変えて行くことがよくあり、その様子を先物同一気配約定情報で見ることができた例です。
まとめ
まとめ
- デイトレーダーにとって、歩み値を読み解くことは、トレンドの変化点を見つけるのに役にたちます。しかし、その読解技術の習得は容易ではありません。
- 歩み値の読解を助けてくれるツールが、先物同一気配約定情報です。
- 先物同一気配約定情報は、買い方と売り方の勢力やその大きさをシンプルに見える化したものです。そのため、大口の約定結果を見つけられる可能性が高まります。
- 大口約定の結果は、トレンドの変化点になるかもしれない重要な情報なのです。
<注意>
相場には絶対ということはありませんので、本記事は一例として参考程度にお考え下さい。投資判断は自己責任にてお願いいたします。